「畳おもて」の端側が白く見えるのは、イ草を「ハタオリ機」で織り込んでいく際、イ草の根っこ側と先っぽの方を交互に入れて織り込むので、イ草の根っこの部分が畳おもての両端にきて、その部分が白っぽく見えるんです。

品質の良い「値段が高い」畳おもて程、長いイ草を使用しますので、中取りが出来る分、白い部分もあまり目立たなくなりますが、それでも端が白いのは、天然のイ草を無理なく泥染している証です。

高級な畳おもての種類で「中継ぎ表」という畳おもてがあります「表替1帖2万円(機械織り)」イ草の真ん中の部分だけを使用面にするため、両端の根の部分が大幅に外に出され、畳おもての真ん中でイ草の先端部分が組まれて織り込まれた、特殊な畳おもてです。

何故、そんな特殊な畳表があるのか、その答えは畳全体の色合いがほぼ均一になるからなんです!だから、普通の畳おもての端は白っぽくて当たり前なんです。

イ草の質の悪さを隠すために、通常の泥染をした後から、染土のスプレーで綺麗に「化粧」をした畳表を、最近よく目にするようになりました。

お客様には「端から端まで綺麗な畳おもて」と、喜んでもらえるようですが、私たち畳の専門家が、小手先でお客様をだまして、不当な利益を得る行為は良くないです。

やはり、日本の気候風土で育った国産の畳表をお客様に提供し、めんどくさがらずに納得の説明をして5年10年先も喜ばれる畳を、私は勧めたいと思っています。